健康診断で眼底が引っかかったので、病院で検査したら緑内障だった。世界が半分くらい見えてなくて、これからも見えないらしい。先生はカルテを見ながら「まだ若いけど…これは治らないから、進行をなるべく早く止めて…」と深刻そうに言った。

 自覚がなかったのでびっくりした。治らないって言ってる。やばそうに聞こえるな、と思った。もらった検査結果の紙もなんか黒い部分が多くて、よくわかんないけどくらくらした。でもそのうち、「欠けてたのに気づかないくらいなら最初からなかったのと同じでは?」という気分になった。歯医者に行ったとき「奥歯が欠損してるので、他の歯を大事に」といわれたのと同じ気持ちだった。

 受け止めるのって苦手だ。パニックになりそうになる。毎日目薬してれば失明しないんでしょ、と思うように努めている自分がいるのがわかった。ちょっとずつしか無理だ。これからは毎日目薬をさす。それ以上は考えたくない。
 帰り道、一人で街の中を歩いていてはじめて、目が見えなくなったらどうなるのかなと思った。車は絶対運転できないし、いままでどおり絵を描いたりお話作ったりできなくなるんだろうな。一人で生きていけなくなるかも。急に悲しくなった。でもまあ、それは、病気じゃなくても人間だったらいずれはそうなるんだよな。
 視界がポヤポヤしていると頭までポヤポヤしてしまうんだろうか。ヘリコプターが飛んでる音がして、空を見上げた。空のてっぺんの方を飛んでたヘリは、視線をちょっと下げると音だけ残していなくなった。

 毎日目薬できるかな。めんどくさいな。でも忘れないように頑張るぞ〜と思った。パンフレットかなんかに、緑内障と診断された人が1年以内に自己判断で点眼をやめてしまう率は4割、と書いてあったのを思い出した。絶妙な数字だ。半数近い人ができないことだという情報は、私の中のやる気を刺激した。なので、この決意を忘れないように日記を書いといた。

 人生ってなにがあっても、そのうちそれを含めた生活に、勝手になっていくよね。▲CLOSE
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読んでる 「十皿の料理 」の時も思ったけど、料理好きな人って変態が多いのかな?(褒め言葉の意)
図書館の貸し出しカードを無くしちゃった。別のカードと間違えて旅行に持って行って、「これは無くさないようにしないと!」とおもって大事にしまったはずなんだけど、どこにしまったか忘れた。あーあ。
大事にしないと、と思う時ほど大事にできなくなっちゃうことが結構多い気がする。労力をかけず、適当にやっているもののほうが実は周りから見ると思いの外評価されてたり。張り切ってやる方が失敗する、みたいなことに近いのかもね。カードどこに行ったかわかんないから、明日再発行してもらおう…。
飲み会の後の二次会で、夜のカフェに行くのが好きだ。お酒があると楽しいけど、コーヒーがあると嬉しい。本当はお酒の席の振る舞い方に正解なんてないってわかってるけど、いまだに探してしまう。でもカフェなら落ち着ける。アルコールよりカフェインが好きだから。
この間も、飲み会のあと、友達を誘ってカフェに行った。飲み会の席では仕事の話が多かったけど、カフェではゲームと映画と本の話をした。お互い今つくっている物語の話を聞いて、意見を言い合ったりもした。居酒屋で遠い世界にいるみたいに見えた友達が、カフェでは学生時代から変わってないみたいに思えた。居酒屋で私の分までお蕎麦を食べてた彼女が、カフェでショートケーキも食べてて、かわいいな…とおもった。
あまりにも短時間で簡単にいろんなものが作られているようなふうに見えて、自分が簡単に物を作り出せないことが苦しい、みたいなふうに思う時があるが、幻覚みたいなものだなと十勝の広大なビート畑を見ておもった
エアダスターでMacのキーボードの隙間を掃除するのが好き。率先してやりたいお掃除1位。Macは隙間が光るからゴミがいなくなるのが見やすいし、飛んでくの見るのも気持ちいい。

エアダスターを使ってると、5分くらいで缶がすごく冷たくなってくる。これは液化ガスが気化する時に熱を奪うかららしい(最初に使ったときびっくりして慌てて調べた)。冷たくなると噴射が弱くなる。だから、手のひらがつめたくて気持ちいいな、のレベルになったらもうお掃除は終わり。「もう無理です」、と言う代わりに、エアダスターは手のひらを冷やしていく。この5分が自分にはちょうどいいと思う。おい!もっと吹き飛ばさせてくれよ!!とはならない。すみませんねえ、と冷たくなっていく缶を握っているだけで、夏場はちょっとした掃除にやる気を出した自分への、ちょっとしたご褒美のように思う。

何事もちょっとだけなのがいいのかもしれない。ちょっとだけやって、ちょっとだけきもちよくて、ちょっとだけご褒美をもらう。それが最高なのかもしれない。エアダスターはちょっとだけおもしろい掃除用具だ。可燃性だから窓を開けなきゃいけないし、ちょっとだけドキドキしながらやるのも、なんかいいのかもしれない。
初めて胃カメラ飲んだ! 正確には鼻からいれたので飲んではない。「口からいれると最悪だよ、絶対鼻からのほうがいいよ」と言われ続け、いつかやってくるこの日を恐ろしく思いながら生きてきた。前日は怖すぎて眠れなかった。でも健康診断は淡々と事務作業のように進む。唯一いいところはそれかも。とにかく気づいたら終わっていた。

鼻に色々噴射され、変な色のゼリーもいれられて息をしている感覚がなくなってパニックになり、ベッドに横になってからも鼻ぐりぐりされるしせっかくいれたのに出したりするし、苦しすぎて暴れかけた。最初は目も開けてたけど、辛すぎて途中から目を閉じた。何をされてたかわからない。お腹を内側からツンツンされたり膨らませられたりしながら(早く終われ!!)と祈っていた。内臓からの感覚も意外とダイレクトに伝わってくる。う〜!(やめろ〜!の意味)とか言ってたと思う。でもそれも5分くらいで終わった。

鼻からやってこのショックさだったら、口からやったらどうなっちゃうんだろう。しばらく呆然としていて記憶がない。大人ってこれを毎年やってるのか…勇気がありすぎる…無理だ…。でも喉と鼻の麻酔が切れた後のお昼ご飯は、はちゃめちゃにおいしく感じた。何もかも甘みがあって、お米の一粒一粒ってこんなにつるつるもちもちなんだ、と思った。元気にご飯食べれるって本当に大事なことだよね…。お米を噛み締めながら、(まあ…3年くらい後に…やるか…)と思いました。
#感想
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もう1週間前になっちゃったけど8/11のKアリーナ公演行きました! めちゃめちゃ楽しかった。雑多メモ〜

Kアリーナすごい
 よく眺めるけど、実は行くの初めてだった。さすが音楽専用アリーナだ…。前回行ったのは代々木体育館のときだったんだけど、比較しても全然違うと思いました。低音がガンガン体に響いてすごかった。心臓びりびりする。レーザーとかライティングの演出もいろんなのがあって楽しかった。幻想的なの、ハッピーなの、怪しい感じ、健全な感じ。映像も含めて演出かっこよかった。
 座席はLEVEL3(2階席)だったんだけど、しっかり角度がついてるからみやすくて嬉しい〜。扇状だからどこでも綺麗に見えそうだね。LEVEL7の奥はわからない。あと女子トイレ全然混んでなかったのもよかった。フォトブースでギリギリまで遊んでいたため着座が10分前ぐらいだったんだけど、それでも近くのトイレ行けたしなんなら並んでなかった。すご。
 帰り道にすぐ目の前のHiltonの宿泊客がはるか上階からスマホのライト光らせて手を振ってたのは、すごい金持ちから見下ろされてるみたいな気分になってすこし辛い気持ちになってしまった。すぐ卑屈になる!やめよう!そして笑顔で地上から手を振り返す。ヒルトン泊まるよりライブ行く方が嬉しいからいいんだ。私は。

フォトスポット!!
 代々木の時なかったと思うんだけど(見落としてるだけかも)、3箇所ぐらいフォトスポットがあってよかった。まあせっかくだから並ぶか〜ってゆるい気持ちで並び始めたけど、撮るのも楽しいし、見返すとかなりいい。ライブって(体感)一瞬で終わっちゃうからさ…こういう楽しげな写真が残ってるといいんだな…としみじみ思った。ドッペルゲンガーのフォトスポットでの正解のポーズがわからなくてわらった。

LEGION
 ライブで聴くラップとDJすごいなあ…(毎回言ってる)。今回のアルバムやっぱりすごい速いしパフォーマンスとしてめちゃくちゃすごいしかっこよかった。LEGIONの曲以外にも定番曲歌ってくれたし、耳無し芳一Styleもあってめちゃくちゃ沸いた。全然関係ないんですけど、サビの耳なし芳一Styleのところ、はらぺこあおむしStyleと似てませんか?(?)好きなんだよな…(?)。公式のセトリを探したけど見つからなかったので後で見つけたら貼っておきます。



代々木の時と比べてなんとなくお子さんが多い気がしたのも興味深かったな…フォトスポット並んでたとき、後ろの子が首からむき身のSwitch吊してた。なんなら途中で遊んでた。夏休み中だからなのかもしれない。子供の時からライブ連れてってもらえるの羨ましいなあ…。▲CLOSE
#感想

『スタントマン 武替道』(2024)  
みた 熱い気持ちはわかるけど、主人公が好きになれず…。言ってることも無茶苦茶で、なんかちょっと怖かったな…というのが正直な感想だ〜。

スタントものって、コメディ寄りにしないとリアリティがありすぎて怖くなるんだな、とおもった。『蒲田行進曲』とか『フォール・ガイ』もそうだけど、コメディだから笑って観れるというか、ベースが笑えるから「主人公は怖くても痛くても頑張る」というのが感動ポイントになるんだな…。まあそもそも、今回の主人公はスタントマンではないので型が違う気もするけど…。



途中までは「腕はあるけどこだわりすぎて人命軽視するアクション監督とスタントマン志望の誠実な青年ロンの凸凹コンビが工夫して業界に新しい風を吹かせかっこいいアクション映画を撮る話」なのかなと思って見てたんだけど、時が進むにつれそうではないとわかった。「自分や香港映画の過去の栄光に固執するアクション監督が家族や仲間に犠牲を強いてきたことに全てを失ってからやっと気づく話」だった。こわいて。それに本物のアクションを入れてくるのは…。

「日和ってないで命かけて真剣に映画撮って香港魂を呼び戻そうぜ!!」っていうのはわかるし、言ってることはかっこよかった。アクションもたくさんあるし。でも主人公のサムさんの描き方がめちゃくちゃキツイ…。「人命軽視の人殺し監督」というセリフが出てくるけど、ラスト付近までずっとその通りなのはつらいよ。全然反省してないな。一般人巻き込んで怪我させた次のシーンで一人幸せになろうとしたりするし、「まずは謝罪と反省だろが!!」というのが最後のシーンまで続いてしまってもやもやしちゃった。もっとはやくあの飛び降りシーン持ってきて、態度をあらためて欲しかったなあ…ロンと一緒だったらできるでしょ……。命をかけなくてもいい方法を模索してくれよ…と思ってしまったが、香港魂というのはそういうものではないのかもしれない。わからない。

サムがやばすぎるので、なんだかんだ彼を尊敬し続けるロンにも不信感が募るし、ワイにも「どうしてそいつを甘やかすの!?死人が出るぞ!!!死人が出てもいい映画になればそれでいいとみんな思ってるの?少なくともワイとロンは違うよね…!?違うって言ってたよね!?」になってしまいわからなかった。

一番好きだったシーンは、サムがカム先輩のお家に行って奥さんにど叱られるとこ…。韓国の女性ってしっかり意見言ってかっこいいイメージが強かったから、ここでめちゃくちゃ強く出ててすごいよかった。二人の隣に座って猛然とご飯食べる姿もほんとにカッコよかった。映画は命をかけなきゃ面白くない、みたいなこと言って周りを犠牲にし続けてきたサムと、毎日しっかり食べて生きていくことを必死にやってきたカムの奥さん、みたいな対比が美しかったよ…。お前らのこだわりとかプライドとか全部どうでもいいわ!!みたいな感じで…その通り過ぎるんだよな…。

あとエンドロール後のメッセージずるくない?それ文字にして観客に示すより、セリフで本編内に入れようよ…ってちょっといじわるな気持ちで思っちゃった…。



というわけで私はあんまり刺さらなかったけど、シナリオ的には学びが多かった。むずかしいよなあ。アクションはすごかったし、迫力があってリアルだったから怖かったとも言える。九龍城砦の二人もすごかった。特にフィリップ・ン…。最初気づかなかったけど、なんかもう体幹とか見てるだけで「え、このひともしかして硬直のひと…?」ってなったもんな…。香港映画、このまま勢いに乗っていっぱい劇場にかかって欲しい……。▲CLOSE