トゥインクル

睫毛の先から溢れる星屑を拾い集めて全部燃やしてしまいたいと思った。
その星屑が、惑星に追突する隕石みたいに、輝きながら全ての生き物を根絶やしにする、そういう力を持った物質のたぐいであると、彼は確信していた。
シシーの涙はポロポロ溢れてやわらかなほっぺたに落ち、重力に沿って滑っていき、彼女の紫のスカートに小さな小さなシミをつくった。
転はそのシミが出来るのをじっと見ていて、その間何も言わなかった。

「ねぇシシー、」

と彼は掠れた声で囁いた。なにか良くないことを言うのだなと、彼の傍にずっといたシシーには分かった。彼にしては少しだけ、迷うような響きがあった。それはきっとシシーにしかわからないような、微妙な空気の震え方だったけれど、それでもシシーは遮らず、しゃくりあげることも、涙を止めることもしないまま、濡れたまつげで転の方を見上げた。もし自分の瞳から落ちる涙のように、彼の口からこぼれるであろう言葉を拾って受け止めることができたら、彼が気づかないうちにもう一度彼の口の中に戻そうと、彼女は心に決めていた。