#感想

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)
観ました…!! ちょっと思ってたのと違った。めっちゃネタバレ。

先に見た方がいいもの
  • ファルコン&ウィンターソルジャー
  • エターナルズ
  • 『インクレディブル・ハルク』

F&WSはめんどくても見た方がいいね、これ見てないとサムに感情移入できないと思う…(あまりに必須項目すぎてそんなことすんなよと思ってしまった…)。でもF&WSはドラマとしてもかなりおもしろいし、サムのことより深くわかるのでとてもおすすめ。この点は60分×6話でつくってくれてよかったと思う。あとバッキーのことがもっと好きになっちゃうよ👍

というわけでドラマを見てから映画を見てねと友人に勧められてその通りにしたのですが…F&WSの方が面白かった…(個人の意見です) 


あたらしいキャプテン・アメリカ
モヤモヤした理由を知りたくて色々書いて考えたけど、サムの「俺は俺」というセリフの通りに受け取るのがいいのかなあと思った。スティーブの頃のキャプテン・アメリカとは、アクションのテイストも、正義のスタンスも、ドラマの葛藤の根源も異なる、ということなのだと思う。言い換えれば、スティーブとバッキーの友情は確かに強烈で強固なものだったが、一旦忘れよう!!ということです。バッキーが相変わらず素敵な笑顔でサムに微笑みかけてきたとしてもです。


サムのアクションは「ぶちのめさずに説得する」戦い
60分×6話のドラマと118分の映画を比べちゃいけないのかもしれないけど、キャラの掘り下げはドラマ(F&WS)、映画はアクションを見せるもの、っていうふうに切り分けたのかな〜という印象を受けた。サムにはウィングスーツがあるので、戦闘シーンはいつも通り派手だしかっこいい。ワカンダの謎技術でエネルギー波みたいなのも出せるようになった。でもクライマックスではほぼ一方的にボコられてる……。それもスティーブとの違いで興味深いね。勝敗の決着が敵の無効化or改心頼みなので、映像的にわかりやすい「ヒーローとしての勝利」はない。ドラマのクライマックスでもそうだったけど、サムはあくまで「敵に改心して欲しいから説得してみせる」というスタンスで、それを示す映画だったのかな〜と思いました。だからこれからも無双してるサムが観れるとは思わない方がいいね…きっと…。

説得すべきと思える(共感できる部分のある)敵対者
今までのキャプテン・アメリカは自分と仲間との間にある絆が戦う根拠になっていて、そういうところがメインの物語として描かれていた気がするんですが、今作にはあんまりそういう感覚がなかった…。いまアベンジャーズもないし、より外向きのヒーローとしての活躍を強いられてる状況だからかな…? とも思ったんだけど、よく考えてみたら、「ロスの葛藤」がかなりの時間をかけて描いてあるからかもしれないなあと思った。「サムがキャプテン・アメリカとしての重圧に苦しむ話」というよりは、「ロスと博士の喧嘩をサムが止める話」みたいな、話に絡むロスのウェイトが結構でかいんですよね…。

スティーブにとってのバッキーと同じような、サムの友達が悪いやつに…みたいな話ならサムが体を張る説得力としてわかりやすいんだけど(イザイアのために、というのはある)(けどきっかけにすぎない印象だった)、サムという男はロスのような敵対者に対しても、「相手が変われると信じて(血清無しでも)体を張れる」というキャラクター性を持っているんですねえ…。その根拠のためにロスの葛藤とかを丁寧に描く必要があったんだろうなと思った。救うに値することがわからないと納得いかないもんな…。


サムが背負っている「黒人のヒーローとして」「踏み躙られ闇に葬り去られようとしている人たちの声を届けるために」「モンスター化した白人の大統領を」「力では勝てないけど説得しようと一人で立ち向かう」行動の重さのこと
私は過去作の系統を無意識に期待してたんだと思う。だから「ロスのことばっかり…サムの映画じゃなくてロスの映画じゃん!なんでもっとサムのことやってくれないの…!?」って思っちゃってたんだね…。でもこれを書いてるうちに「サムが新しいキャプテン・アメリカだからこうなっている」し、「こういう(スティーブとは全く違うスタイルの)サムがキャプテン・アメリカの名を背負うことがアツい」のではないかと思い直しました。

この葛藤についてはドラマの6話でも、今作の最後のシーンでもサム自身が語っていることでもあるし、そう言ってただろ!っていう人いるかもしれないけど…。でも正直どれぐらいヘビーな話なのかってセリフで聞いただけでは私は肌感でわかんなかった…。黒人であるサムがキャプテン・アメリカとして受け入れられるために、白人の大統領を助ける「必要」があったのかもしれないよな…と思ったら急に寂しくなったというか…。サムには血清もないし、最後には一方的に殴られ続けて頭かち割られそうになるけど、それでも耐えて見せて、心に問いかけ続ける姿を見せる必要があったのかもしれないな…とおもいました。考えすぎかもしれないし、全然そういうんじゃないのかもしれないけど…そういう風にも見えるなあって思った…。

キャスティングのこと
キャスティングにも正直多国籍・多様性感が滲み出てたよな…、サムの新しい仲間でもあるルース役のシラ・ハースはずいぶん小柄な女性で…マッキー達と並ぶとすごく小さく見えて、改めてやっと小柄な女性もこういう戦闘シーンのある役柄でキャスティングされるようになったか…としみじみしてしまった…。

反応は?
アメリカの方たちの反応はどうなんですかね? 日本での評判はあんまり良くないという風に聞いたけど…。おそらく今までのキャプテン・アメリカシリーズとガラッと雰囲気が変わったし、サムのキャラは理性的で、複雑な社会背景もあり、わかりやすい面白さが減って物語の吸引力が弱くなっているからだと思う。現代らしい良いキャラクターだと思うけど、たぶん日本の人たちが見ても「黒人がキャプテン・アメリカ!うおお!アツい!」という考え方に直結しないというか、「ふーん次はサムなんだ!」くらいにしか思わなさそうというか…。

日本の描き方…
あと単純に作品内の日本の扱い雑すぎないか? 勘違いから仲直りするとはいえ対日本になってて無駄にドキドキさせられた割には誤解の解け方も良くわかんないし、意味深にしょっちゅうでてくる桜がなんか桃の花みたいだし、そっちが気になっちゃってどういうストーリーかよくわかんなかったとこもあった…。これが別の国だったらもっと集中してみれたのかもな〜。

バッキーはどうなるの?
1番の謎はバッキーだよ!どういう経緯で下院議員を目指してるんですか?エターナルズでなんか言ってた?その上サンダーボルツでまた軍人に戻っていくようなのでわけがわからない…。もう追いかけるのが怖いよ…。知ってるバッキーじゃなくなっていきそうで…。と思いつつ心が落ち着いた頃に見ると思います。しばらくはF&WSの何もない部屋の床に座って膝抱えてTV見てるバッキーを見つめて生きます。



予告でファンタスティック4のリブート版CMみたんですけど、スーはヴァネッサ・カービーが演じられるんですね…最高じゃん! M:I:DRのホワイト・ウィドウだいすきなのでめちゃくちゃ嬉しいです楽しみ…▲CLOSE