#感想
22で行きたいなあって話してた、 山梨の辻が花の美術館行ってきた

「光響」、実際に肉眼で見ると、もはや狂気といえるほどの細やかさで絶句しちゃった。凄まじい密度の絞り…。執念を感じる美しさ…。

写真で見たときは色の鮮やかさに惹かれたけど、実際に見ると、絞りの凹凸で細かな陰影が生まれているのがよくわかる。(展示の仕方も、陰影がわかるようにちょっと斜めに光が当たっている気がする)滲み具合と絞り方の強弱による遠近感。雲を表す緩やかな絞り、水面の細波を表すぎゅっと寄った力強い絞り…絞り方だけで絵になってる。漫画のスクリーントーンみたいな感じ。ああ、だから辻が花なんだな、絞り染めでしかできない表現方法なんだなと思った…。まじで怖い。こんなの見たことないよ。しばらく目蓋の裏に焼き付いてしまった。

展示室も素敵だった。太くたくましい木の梁が剥き出しのまま幾重にも積み重ねられているような見た目で、いろりを囲ってるみたいな、無骨さと安心感を同時に覚えるような居心地の良さなのに、その空間をぐるりと囲むように緻密な辻が花の連作がそびえる様は異様っちゃ異様。深海で圧縮されたカップラーメンの容器みたいな凝縮具合の美しさの塊がドカドカドカー!!ってならんでいる感じで凄まじい。作品からの圧がすごい。でも木で組み立て上げられたその空間と、暖かな色合いの照明とも調和している。うまく言えないけど、本当に素敵だった。

そもそも入り口も不思議で、なんだか禍々しさを感じる雰囲気だったなあ…。森の中に突然お寺の門みたいな木造のでっかい入り口が現れて、なんだろうと思って近づいてよく見ると、ロダンの地獄の門みたいなバリの奇妙な神様の像みたいな異国の装飾がたくさん施されていて、怖くて怯えた。でもそこには美しさも蕩々とながれている。なんなんだよ〜脳が混乱するよ〜!圧倒されるけどわくわくするよ〜!!

不思議な扉や噴水、白い階段が緑の森の中にぽちぽちと続いている景色には、なんとなくポルトガルで見たレガレイラ宮殿のお庭を思い出させられました。私が行った時はお庭の散策はできなかったけど、展示室の裏手には滝とかもあって面白そうだった。ミュージアムショップが入った建物も、真っ白なのに不思議と森の中に調和しているんだよな…。

「光響」は四季を表した連作なんだけど、今のところ全部で46連作あり、季節によって展示している作品が変わるそう。私が見たのは秋〜晩秋だったけど、後半もまた見に行きたいなあ〜。冬の連作、絶対すごいよ…。色味が薄い分、絞りの凄まじさがとんでもないことになってそう…。

山梨に行く機会があれば、みなさんも行ってみてください。
脳がぎゅっとなって目がしぼしぼになるくらい密度が濃いです。おすすめ!

追記
「光響」がそもそも常設展示じゃなかった!後半は2024年11月末まで!すぐ行くことになるなこれは😉

一竹工房・一竹辻が花
久保田一竹美術館▲CLOSE