リンクラベル...
「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ 著
読んだ めっちゃ有名だけど読めてないシリーズ!



映画化もされてるし内容はぼんやり知ってたけど、思ってたよりずっとさわやかで愛しい印象を持った。文体の中には、怖さや悲しみというような、残酷さってあんまりないね。それが一周回って怖いのかも。映像作品では再現できない、小説ならではの味わいだったなあ…。

さすがというべきか、分厚いけどサラサラ読めて、結構一気に読んじゃったな。読み終わったあとトミーが好きで好きで仕方なくなってた。丁寧な地の文で、キャラクターそれぞれの性格が立っていて、長く三人の成長を見守ってきたからこそ愛しく、愛しかった分ラストは悲しい。三人は運命を受け入れてるように見えるけど、ほんとは…。そういう葛藤が丁寧に丁寧に積み上げた文章の中に立ち上がってくる。だからこそ、三人を最後まで見守りたくなる。ああ。

映画化ではアンドリュー・ガーフィールドがトミーをやってるみたいだけど、もう見れないと思った。別に彼が嫌いなわけじゃないけど、もう頭の中に理想のトミーできちゃったから…。先に小説読むとこういう弊害があるって思い知りました。トミーいいやつすぎる。

#感想 #本 ▲CLOSE

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)

金ローで見た。もうTVで見れるんだ…!? 
私はティム・バートン版で育っているので、正直なところ予告見たときから「絶対解釈違いじゃん…」って思って映画館には行かなかったんだけど、見てみたらそんなに酷くなかった。これはこれで可愛くて良かったんじゃないでしょうか…より子供向けな優しい感じで…。



世間知らずで夢見るぽやぽやショコラティエのウォンカさんが、フランスの地で邪悪なチョコ屋さんや邪悪な旅館の女将の攻撃を受けつつ、ぽやぽやしたままチームワークで邪悪な人々を倒す話。このぽやぽや感がパディントンと同じ仕上がりになっており、ウンパルンパ(ヒュー・グラント)が出てきた時に「これは同じ世界線だ!!」と確信した。『パディントン』(2014)シリーズのポール・キング監督なんだね。

主人公が、ひとりぼっちで駅に捨てられ、紳士的な振る舞いで人間社会に馴染もうと奮闘するふわふわのクマだと見れるけど、子供をパートナーに選んで成人男性が行う行動としては見てられないところも結構あって、う〜んむずかしい!!とおもいました。悪い人じゃないのはわかるんだけどね! 無邪気かつ一心不乱で迷惑な大人という点は原作のウォンカさんと一緒だけど、勘が鈍いせいで子供を危険に晒してしまうところもあったりするので…。地味にストレスが強かったな…。

世界観とか映画の雰囲気は好きだった。とびきりおいしいチョコで全てを買収する邪悪なチョコ屋とか見てて面白かったし! チョコ欲しさに人を抹殺しようとする、倫理観終わってる警察署長もよかった。最初から氷水にウォンカの頭をぶち込んでたもんな…こんなことしたくないんだよ〜っていいながら…怖っ…! でもなんかかわいくておもしろい絶妙なニュアンス。イギリスジョークっぽいね。どんどん食べ続けて太っていっちゃうところとか、それを部下に冷ややかな目で見られてるのも良かったですね。

パディントンは好きだったので、ウォンカとその一味があんまり好きになれなかったのは残念だ…。ウォンカさんがクマだったら完璧だったのに、と思いつつ、それだとパディントンなんだよな…を行ったり来たりしている。チョコ職人として邪悪なチョコ屋や強欲な宿屋と戦うパディントンが見たくなっちゃったのかもしれない…。

#感想 #映画 ▲CLOSE

『A.I.』(2001)
内容をぼんやりしか覚えていなかったのでこの機に見直した。冒頭に温暖化の話や、制作チームのミーティングでの「人間の責任は?」というセリフがきちんとあったね。この辺りは忘れてたから、開始5分くらいでもうじーんとしてしまった。ちゃんと…している…。

デイビットが最初にモニカの部屋に来るシーンが面白かった。扉が開いた先にいるデイヴィットのシルエットが、逆光で宇宙人のように見えるところ。ここはかなり印象的で覚えていたけど、そのすぐあとのシーンもよかった。部屋に入ってきたデイヴィットが段差を確かめる動きをしたあと、「いい床だね」とモニカに話しかけるんだよね。この段差の確かめ方で、うわあロボットだ!!っていうのが一発でわからされるという…。二重に重ねてあったんだねえ…テクニカルだな…。

旅の果てで博士と出会った時のシーンも良かった。デイヴィットの成長を喜んだ博士が今までの旅の意義を説明してくれて、観客には答え合わせというかネタバラシのシーンになっているけど、聞かされているデイヴィットは全然嬉しくない。むしろ絶望的な事実を聞かされている、というシーン…。

会話が全然噛み合ってないのがいい。ちゃんと対話できるメンタルじゃないのがわかる。博士の言葉を無視して「僕は特別なのかと思った」、と遠い目をして椅子に座ってるデイヴィット。会話とか文脈をあえてぶった斬っていくこの感じ、上手く使えると強い意志の露出みたいな感じで効果的なんだなあと思いました。(のちに短編シナリオで使ったけど誰にも気づかれなかった。意外と違和感なく読めるんだ…)

新しい映画たくさん見るのもいいけど、昔見た好きな映画を改めて見直すっていうのも新しい発見があって嬉しくなる。好きを支えているもの、構築しているものがなんなのかわかる瞬間が、きっと嬉しいんだよね。

#感想 #映画 ▲CLOSE

『ボディガード』(1992)

プレミアムシネマでやってたから改めてちゃんと見た ちゃんとおもろい、な…!! 序盤から明かされる犯人の奇行が普通に怖くて、「これラブストーリーやない!スリラーや!!」とおもいました

エンダー!&ポスターのイメージが強くてラブ🫶の印象だった ちがうね いや、ちがくはないけど、ラブストーリーっていうよりは「仕事人間おじさんがトラウマを克服する話」だったね 侮ってすまなかった…という気持ちになった

劇中でがっつり『用心棒』見てたのもおもしろかったね…フランクは全然映画好きそうな感じしないのに、刀まで持ってるの、なんか急にオタクのムーブだ…! 椿三十郎に憧れてるとしたらボディーガードしてなくない?と思わないでもないけど、仕事熱心で自分を見せないキャラだから、そういうところが欧米の人にはサムライに重なってみえるのかな… なんとなく旧時代の男の雰囲気があるのもそういう意図的なところなのかな…などとおもった

フランクの実家の小型犬が、人を守る仕事を彼からちゃんと教わってるのが良すぎる 「誰彼構わず吠えるから大型犬は嫌い」みたいなセリフも好きだ 見張ってろって言われてちゃんとドアの前を守ってる犬、素晴らしすぎる お名前を伺ってもいいですか!? 犬が主人公の善人性のアトリビュートとして映画に出てくると手を叩いて喜んでしまう〜 序盤に猫を救うより、犬に生活を与えていることが匂わされてる主人公の方が圧倒に好きだ

主人公以外のキャラの描き方も好きだったな〜 プロデューサー?のサイがカードの血を拭ってポケットにしまうシーンとか、フランクと最初は対立してたボディガードのロイが、後半フランクをクビにしたサイにはっきり文句言って見せるところとか、脇役キャラの変化とか核とかがサラッと、でもちゃんと描いてあったのがめちゃくちゃよかった 手紙送ってた犯人も救急車のシーンにいたもんね…あのシーンだけで、傷つける気持ちがなかったのわかるもんね…なんかすごい丁寧だなあと思った…この細やかさが好きだな〜とおもいました

#感想 #映画 ▲CLOSE
#感想
リンクラベル...
もう1週間前になっちゃったけど8/11のKアリーナ公演行きました! めちゃめちゃ楽しかった。雑多メモ〜

Kアリーナすごい
 よく眺めるけど、実は行くの初めてだった。さすが音楽専用アリーナだ…。前回行ったのは代々木体育館のときだったんだけど、比較しても全然違うと思いました。低音がガンガン体に響いてすごかった。心臓びりびりする。レーザーとかライティングの演出もいろんなのがあって楽しかった。幻想的なの、ハッピーなの、怪しい感じ、健全な感じ。映像も含めて演出かっこよかった。
 座席はLEVEL3(2階席)だったんだけど、しっかり角度がついてるからみやすくて嬉しい〜。扇状だからどこでも綺麗に見えそうだね。LEVEL7の奥はわからない。あと女子トイレ全然混んでなかったのもよかった。フォトブースでギリギリまで遊んでいたため着座が10分前ぐらいだったんだけど、それでも近くのトイレ行けたしなんなら並んでなかった。すご。
 帰り道にすぐ目の前のHiltonの宿泊客がはるか上階からスマホのライト光らせて手を振ってたのは、すごい金持ちから見下ろされてるみたいな気分になってすこし辛い気持ちになってしまった。すぐ卑屈になる!やめよう!そして笑顔で地上から手を振り返す。ヒルトン泊まるよりライブ行く方が嬉しいからいいんだ。私は。

フォトスポット!!
 代々木の時なかったと思うんだけど(見落としてるだけかも)、3箇所ぐらいフォトスポットがあってよかった。まあせっかくだから並ぶか〜ってゆるい気持ちで並び始めたけど、撮るのも楽しいし、見返すとかなりいい。ライブって(体感)一瞬で終わっちゃうからさ…こういう楽しげな写真が残ってるといいんだな…としみじみ思った。ドッペルゲンガーのフォトスポットでの正解のポーズがわからなくてわらった。

LEGION
 ライブで聴くラップとDJすごいなあ…(毎回言ってる)。今回のアルバムやっぱりすごい速いしパフォーマンスとしてめちゃくちゃすごいしかっこよかった。LEGIONの曲以外にも定番曲歌ってくれたし、耳無し芳一Styleもあってめちゃくちゃ沸いた。全然関係ないんですけど、サビの耳なし芳一Styleのところ、はらぺこあおむしStyleと似てませんか?(?)好きなんだよな…(?)。公式のセトリを探したけど見つからなかったので後で見つけたら貼っておきます。



代々木の時と比べてなんとなくお子さんが多い気がしたのも興味深かったな…フォトスポット並んでたとき、後ろの子が首からむき身のSwitch吊してた。なんなら途中で遊んでた。夏休み中だからなのかもしれない。子供の時からライブ連れてってもらえるの羨ましいなあ…。▲CLOSE

『スタントマン 武替道』(2024)  
みた 熱い気持ちはわかるけど、主人公が好きになれず…。言ってることも無茶苦茶で、なんかちょっと怖かったな…というのが正直な感想だ〜。この無茶苦茶さが迫力で、香港映画への愛というなら良いのかも。

スタントものって、コメディ寄りにしないとリアリティがありすぎて怖くなるのかもしれない。『蒲田行進曲』とか『フォール・ガイ』もそうだけど、コメディだから笑って観れるというか、ベースが笑えるから「主人公が怖くても痛くても頑張る」姿に感動できるんだなあと思った。今回の主人公はスタントマンではないので型が違いそうだけど…。



途中までは「腕はあるけどこだわりすぎて人命軽視するアクション監督とスタントマン志望の誠実な青年ロンの凸凹コンビが工夫して業界に新しい風を吹かせかっこいいアクション映画を撮る話」なのかなと思って見てたんだけど、時が進むにつれそうではないとわかった。「自分や香港映画の過去の栄光に固執するアクション監督が家族や仲間に犠牲を強いてきたことに、全てを失ってからやっと気づく話」みたいに見えた。

「日和ってないで命かけて真剣に映画撮って香港魂を呼び戻そうぜ!!」っていうのはわかるし、言ってることはかっこよかった。アクションもたくさんあるし。でも主人公のサムさんの描き方がめちゃくちゃキツイ…。「人命軽視の人殺し監督」というセリフが出てくるけど、ラスト付近までずっとその通りなのはつらいよ。全然反省してないな。一般人巻き込んで怪我させた次のシーンで一人幸せになろうとしたりするし、「まずは謝罪と反省だろが!!」というのが最後のシーンまで続いてしまってもやもやしちゃった。もっとはやくあの飛び降りシーン持ってきて、態度をあらためて欲しかったなあ…ロンと一緒だったらできるでしょ……。命をかけなくてもいい方法を模索してくれよ…と思ってしまったが、香港魂というのはそういうものではないのかもしれない。わからない。

サムがやばすぎるので、なんだかんだ彼を尊敬し続けるロンにも不信感が募るし、ワイにも「どうしてそいつを甘やかすの!?死人が出るぞ!!!死人が出てもいい映画になればそれでいいとみんな思ってるの?少なくともワイとロンは違うよね…!?違うって言ってたよね!?」になってしまいわからなかった。

一番好きだったシーンは、サムがカム先輩のお家に行って奥さんにど叱られるとこ…。奥さんだけが気持ちを代弁してくれた。しっかり意見言ってかっこいいだけじゃなく、もうほんとにブチギレててめちゃくちゃ強く出てる感じがすごいよかった。殺すぞ!!って感じだったよ。惚れるて。二人の隣に座って猛然とご飯食べる姿もほんとにカッコよかった。映画は命をかけなきゃ面白くない、みたいなこと言って周りを犠牲にし続けてきたサムと、毎日しっかり食べて生きていくことを必死にやってきたカムの奥さん、みたいな対比が美しかったよ…。お前らのこだわりとかプライドとか全部どうでもいいわ!!みたいな感じで…その通り過ぎるんだよな…。

香港アクションを愛するが故に、時代に取り残されて、それでも命を張ることの迫力を映画に刻み込みたい男の、香港映画への愛みたいなものだったのかな。だとしても主人公が好きになれないのでストレスが強いけど…。ホラーに近い印象だったよぉ…。



というわけで私はあんまり刺さらなかったけど、アクションはすごかったし、迫力があってリアルだったから怖かったとも言える。九龍城砦の二人もすごかった。特にフィリップ・ン…。最初気づかなかったけど、なんかもう体幹とか見てるだけで「え、このひともしかして硬直のひと…?」ってなったもんな…。香港映画、このまま勢いに乗っていっぱい劇場にかかって欲しい……。

#感想 #映画 ▲CLOSE

『星つなぎのエリオ』(2025)
みたよ、グロードンが可愛かった。ストーリーは普通かなあ…。
友達に聞いてみたら、「キャラデザが無理で見ることができなかった」といっていて、ああ、そういうパターンもあるのか…と思いました。
#感想 #映画
リンクラベル...
「土 地球最後のナゾ」藤井 一至 著

読みました! 「大人の自由研究」って言葉が出てきたけど、本当にそういう感じだった とても読みやすく、ためになる

身近な疑問から世界の問題まで、土の知らない面がたくさん関わってるんだねえ… 土がどうやってできるか、何種類あるか、どこにどんな土が分布してるのか、そしてその土の個性と価値について…といった具合でありとあらゆる土のことがわかる

スウェーデンの土のやばさに悲鳴をあげたり、タイの土に白目剥いたり、アフリカの土のことに唸ったり… 国が変われば国土の種類もかわって、それによって支えられている文化も変わるんだってことがよくわかった 日本もこの土だったからこの文化になったんだ 

あたりまえのように足元にある土だけど、世界を見るとこんなにもいろいろ勝手がちがう 植生が違うっていうのは土が違うことに大いに影響されているんだね…目に見えない植物と土との戦い、そして人間の作用…色が違う土があちこちにあることは知ってても、その違いがこんなに問題なんだってあんまりわかってなかった 視野をかなり広げてくれた気がする

最後まで面白くて勉強になりました 土、奥深い! 土、すごい!



追記
関連書籍:「経済学レシピ│食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた
これもおすすめ!
食べ物から見る国の文化と経済姿勢についての本。私は先に経済学レシピを読んでたけど、土の種類と文化の結びつきを理解してから読むともっと理解深まりそう。

#感想 #本 ▲CLOSE

『教皇選挙』(2024)  見ました〜

泣いちゃったよ〜 現代の、団結することの難しさみたいなものも反映されてておもしろかったな〜

思っていたより、脚本も映像もすごく丁寧でわかりやすかった キャラクターもちゃんと強いけど、毎回名前を呼んでくれたり顔を映したりしてくれる、という意味で… これは大事だよね…(『裏切りのサーカス』のときはあんまりわかんなくてついてけなかったひと)

台詞もクリティカルでよかった 教皇というシンボリックな存在になるのに、考え方や自分の信じるものを誠実に伝えられる台詞じゃないといけないもんね… 政治的な駆け引きを描くので緊張感はあるけど、ふっと緩む瞬間もあってそれもちょうどよかった

映画館で見ると、コンクラーベの最中の枢機卿たちみたいに、閉鎖された空間にいるのを共有できるのでおすすめ…家で見るのと緊張感全然違うだろうなと思った……

#感想 #映画 ▲CLOSE